自宅での介護のために必要なリフォームをしたい!そう考える方もたくさんいらっしゃると思います。
ここでは、自宅などをバリアフリー化した際に利用できる減税制度についてご紹介します。
主な所得税減税制度は2つ。「投資型」と「ローン型」
投資型は「住宅特定改修特別税額控除」と言い、工事費用のローン借り入れの有無に関係なく利用できる制度です。ローン型は「特定増改築等住宅借入金特別控除」と言い、工事費用のローン借り入れがある場合にのみ利用できる制度となっています。どちらも平成33年12月31日まで適用され、翌年の確定申告時期に居住地管轄の税務署で手続きをする必要があります。この2つの制度の併用はできません。
投資型減税は「控除期間は1年」&「控除対象限度額は200万円」
投資型の控除期間は1年間。改修後に居住を開始した年の分だけ控除されます。
- (国が定めたバリアフリー改修の標準的工事費用の相当額)-(補助金など)
- (200万円=控除対象限度額)
投資型の控除期間は1年間。改修後に居住を開始した年の分だけ控除されます。
どちらか少ない額×10%が控除額となります。
例:トイレ、浴室の間取り変更と、手すり等設置のバリアフリー工事(150万円)
- バリアフリー改修標準工事費用=150万円
- 控除対象限度額=200万円
この場合は、1.の150万円の方が少ないので、
150万円x10%=15万円が控除額となります。
※最大控除額は200万円の10%である20万円ですが、所得税を20万円以上納めていない場合は、必ずしも20万円が控除されるわけではありません。
「標準的工事費用の相当額」とは?
改修工事の種類ごとに単位あたりの標準的な工事費用として国で定められた金額で、その工事を行った床面積をかけて計算した金額となります。
減税の対象となる住宅などの条件は?
減税になるのは、以下の条件を満たしているものに限ります。
- 50歳以上
- 介護保険で要介護・要支援の認定を受けている
- 所得税法上の障がい者
- 65歳以上の親族、または2.か3.に該当する親族のいずれかと同居している
- 1〜4のいずれかが自ら所有し、居住している住宅である
- 床面積の半分以上が居住用であること(併用住宅の場合)
- 改修工事の完了後、6ヶ月以内に入居していること
- 改修工事後の床面積が50平方メートル以上である
対象となる工事内容は?
減税の対象となる工事も決められています。
- 介助用の車椅子での移動を容易にするための通路や出入り口の拡幅
- 既存の階段の撤去を伴う階段の設置または、勾配の緩和
- 浴室改良(入浴を容易にするための床面積増加、浴槽改良など)
- トイレ改良(排泄を容易にするための床面積増加、洋式便座への取替など)
- 室内の経路に手すりをつける
- 床の段差を解消する
- 出入り口の戸を開き戸から引き戸、ハンドルをレバーハンドルに取替
- 床材料を滑りにくい素材へ取替
このいずれかに該当するバリアフリー工事で、標準的な工事費用の相当額から交付金などの補助金を引いた額が50万円を超えること、併用住宅の場合は居住部分の工事費が工事費用全体の半分以上であることが必要です。
手続きに必要な書類は?
下記書類の提出が必要です。
- 住宅特定改修特別税額控除額の計算明細書(国税局WEBサイトからダウンロード可)
- 住民票のコピー(平成28年1月1日以降で、自己居住の場合は不要。マイナンバーは記載する必要なし)
- 増改築等工事証明書
- 家屋の床面積が50平方メートル以上であることを証明するもの(家屋登記事項証明書など)
- 介護保険の被保険者証のコピー
- 給与所得の源泉徴収票(給与所得者の場合)
- 改修工事年月日と費用の額を証明するもの(工事請負契約書など)※平成26年3月31日以前に改修・居住している場合
控除対象限度額が450万円に増えるかも?
バリアフリー化リフォームの所得税控除には、併用できる制度があります。
- 省エネリフォームの減税(窓や床・壁などの断熱工事、太陽光発電設備設置など)
- 同居対応リフォームの減税(浴室・トイレ・キッチン・玄関などの増設など)
例えば、2.の同居対応リフォームの控除と併用すれば、控除対象限度額は200万円から450万円に増えることになります。
上記に当てはまるリフォームの場合は、確認してみると良いでしょう。
ローン型減税は「控除期間5年」&「控除対象限度額は250万円」
ローン型減税は、バリアフリー化の工事費用のために、償還期間が5年以上のリフォームローンを利用している人を対象にした減税制度です。控除期間は、改修後、居住を開始した年から5年間です。
- (対象となるバリアフリー改修工事費用)-(補助金等)
- 250万円(控除対象限度額)
1.と2.のうちのどちらか少ない方に2%をかけた額に、対象外の改修の工事費用相当部分の年末ローン残高に1%をかけた額を加えたものが控除額となります。
例:トイレ・浴室の間取り変更、手すりなどの設置のバリアフリー工事(150万円)、償還期間5年のローンで借入額は500万円(1年目のローン残高は406万円とする)の場合、
- 対象となるバリアフリー改修工事費用=150万円
- 控除対象限度額=250万円
※1.2.を足した控除対象限度額は1,000万円となります。
1.の方が少ない額なので、150万円x2%=約3万円
ローン残高406万円から、対象となる改修工事費用を引いた額(406万円-150万円)に1%とかけた額(約2.5万円)を加えると、
約3万円+約2.5万円=約5.5万円 が1年目の控除額となります。
2年目以降もその年末のローン残高から150万円を引いた額x1%を足した額が控除額です。
対象になる条件は投資型と同じ
減税の対象となる住宅などの条件や工事内容については、投資型と同じです。他のローン型減税の制度と併用はできますが、こちらの場合は、控除対象限度額が250万円のままとなります。
住宅ローン減税は「控除期間は10年間」&「控除率は1%」
住宅ローン減税は、バリアフリー化の改修工事に関わらず、新築や、増改築で多額の住宅ローンの借り入れがあった時に利用できる減税制度です。
改修後に居住した時期によって、最大控除額や控除対象の借入限度額が変わってきますが平成29年4月現在は、借入限度額が4,000万円、最大控除額が400万円となっています。
また、所得税から控除しきれない場合は、住民税からの控除もあります。その場合は、136,500円を上限に控除されます。控除額はリフォームローンなどの年末残高から補助金などを引いた額に、控除率1%をかけた額になります。
固定資産税も減額に?他にも知っておいて損はない制度が!
バリアフリー化のリフォームは、所得税の減税だけではなく、固定資産税の減額が可能な場合もあるのです。
減額期間は、工事が完了した年の翌年の分、軽減額は固定資産税額の3分の1までとなります。対象となる工事や住宅などの条件は、所得税の減税制度とほぼ同じです。違うところは、主に2つ。
- 工事完了後、3ヶ月以内に市区町村へ申告すること
- 平成19年1月1日以前から存在する住宅もしくは、新築された日から10年を経過した住宅(賃貸住宅を除く)
この制度は、所得税の減税制度との併用が可能です。
他にも、父母や祖父母からリフォームのための資金を贈与された場合には、一定金額まで贈与税が非課税となる場合や、登録免許税の軽減、不動産取得税の特例措置などが適用となるケースもあります。
いずれにしても、こういった制度は度々変更されることがありますから、利用される際にはよく調べる必要があるでしょう。
(参考)
国税局
住宅リフォーム推進協議会
介護リフォームマガジン
https://www.kaigo-reform.com
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