高齢化社会と言われている現在の日本では、老老介護や高齢者の独居、高齢夫婦の二人暮らしがたびたび話題に挙がりますが、親子での同居も依然として多いです。
ご両親や祖父母など、高齢者と同居することになった方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

また、現在は別居でも近い将来同居することが決まっている、同居するかもしれないという方もいると思います。

高齢者との同居に向けて、少しでもその不安を解消しておくために注意したいポイントをご紹介します。

ストレスは溜め込まない

最近は同居を希望しない高齢者も増えているようですが、同居を希望する高齢者もたくさんいらっしゃいます。
その理由として、やはり高齢者だけでは不安だということが挙げられます。

また、中には親と同居するのは当たり前だと思っている人もいるようです。
このような、同居を当たり前だと考えている高齢者の中には、世話をされるのも当たり前だと思っている人もいます。

無理な注文を全て聞き入れることはありませんが、角の立たない断り方を模索するのも疲れてしまいますよね。
ストレスを溜め込んで爆発させては後処理も大変ですから、できるだけこまめに発散させましょう。
いつも心に少しのゆとりをもつことで優しく接することができるかもしれません。

親を頼りすぎない

近年では、高齢者との同居を望む若い世代も増えています。

すっかり年をとってしまった両親が心配、防犯上や子育ての面で同居すると助けてもらえる、といった理由から同居を望む人が多いようです。
後者の「助けてもらえる」という理由は、共稼ぎの夫婦に特によく見られます。

しかし頼りになるとは言え、元気に見える高齢者も本当は疲労困憊しているかもしれませんから、甘えすぎるのは厳禁です。
あれこれと注文ばかりつけていると体力面だけではなく、精神的にもぐったりしてしまいます。

最近では「孫疲れ」という言葉が生まれ、子供を親に預けることも申告な問題となっています。
孫はかわいい、なんでもしてあげたいと思えば思うほど辛い状況に追い込まれてしまうようです。
子世代は、してもらって当然という意識は捨て、感謝や労いを忘れないようにしなければいけません。

介護はひとりで背負い込まない

1人で介護
介護が必要で同居することになった場合は、急なことも多いですよね。

介護を始めるにあたって大切なことは、夫婦や親族でよく話し合いをすることです。
同居で介護するとなると、どうしてもひとりで背負い込んでしまう人が多いのです。

しかし病気や障がいが進行すると、ひとりで介護を続けるのが難しくなってくることもあります。
自分の他に介護できそうな状況の人がいるなら、分担についてしっかり話し合うようにしましょう。

頼れる人が周りにいない、自分でやった方が早いと何でもこなしていると、知らず知らずのうちに疲労やストレスは溜まり続けます。
責任感の強い人ほど背負い込んでしまいがちですが、介護保険というシステムもありますから、プロに任せられるところはお願いして少しでも負担を減らすようにしてください。

また、デイサービスや訪問介護、介護施設を利用してみるのもおすすめです。
介護は決してひとりでできるものではありませんので、利用できるものは極力利用するようにしましょう。

義父母との同居の際は夫婦でよく相談する

ご主人のご両親と同居になる場合、嫁姑関係が問題になる家庭も珍しくありません。

逆に、奥様のご両親との同居で悩んでいるご主人もいらっしゃいます。
義父母との同居というのは、夫婦のどちらの親と暮らすにしても少々気まずかったり、なんとなくやりにくかったりと微妙なものなのです。
介護が必要な場合であればなおさらでしょう。

この微妙な気持ちを少しでも軽減するためには、ちょっとしたことでも相談するなど、お互いに気遣う気持ちが大切になってきます。

一緒に暮らす以上はみんなが肩身の狭い思いをしないようにするための協力が重要なのです。

住宅のプライバシー問題はリフォームで解決

家族であっても、プライベートが筒抜けの環境では心穏やかに生活することはできませんよね。
必要があれば、リフォームを考えてみても良いかもしれません。

バリアフリーならともかく、プライバシーに配慮した空間なんてかなり大がかりなリフォームになってしまうのでは、と心配される方もいるかと思います。

しかし、部屋の位置はそのままで扉を増やすなど、動く流れを変えれば良いわけです。

例えば、極力入ってきてほしくない空間は、迂回できるように出入りできる扉を増やすことで問題を解決できるでしょう。
(※間取りによっては不可能な場合もありますので業者にお問合せください)

高齢自殺者の多くは家族と同居していた?

高齢自殺者
60歳以上の高齢自殺者は意外にも多く、その割合は自殺者全体の4割にも上り、高齢自殺者の9割は家族と同居していた方なのです。
病気が苦しい、伴侶に先立たれた、経済的に苦しいなどの理由がありますが、家族関係の悩みを理由とした自殺が最も多いと言われており、家族と同居していた高齢者が9割を占めています。

また、そのうちの8割近くがうつ病を患っていたというのです。
同居することで解決する問題もあれば、同居することによって発生する問題もあります。

特に、高齢者本人が同居を強く望んでいない場合にはストレスを多く抱えやすいため、注意しなければいけません。

うつ病はもともと自殺に繋がりやすい病気ですが、高齢者の場合はさらに自殺へと繋がりやすくなると言われていますので、発症する前にうまく対処できるよう、きっちり意見をすり合わせておくことが大切です。

田舎から呼び寄せることで「呼び寄せ症候群」に?

子どもが親を心配して自分たちの家に呼び寄せることで「呼び寄せ症候群」になることがあります。

これは同居に限ったことではなく、住み慣れた土地を離れる寂しさ、環境の変化によるストレスが原因で起こります。

慣れない土地で友達がいないために自宅に引きこもることが増えて弱ってしまい、うつ病を発症したり、認知症を悪化させたりするケースも多いのです。
高齢者は必ずしも同居を望むわけではありませんので、無理に押しつけてしまうと心を病んでしまうこともあります。

様々な事情があるのかもしれませんが、本人の意志も可能な限り尊重し、みんなで相談しながら最善案を模索しましょう。

同居は近づきすぎず適切な距離感で

両親などの高齢者と同居することで起こる問題は多く、悩みも尽きません。
いざ同居が始まるとストレスも溜まり、自分の人間性を疑ってしまったり、大好きだったはずのご両親を憎らしく思ってしまったりすることもあるかもしれません。

今回は同居の注意点について多数触れましたが、メリットだってたくさんあります。
協力し合って良好な関係が築ければ楽しく日々を過ごすことができますし、家事を分担することで負担の軽減にもなるのです。

距離が縮まり過ぎると、人間関係はどうしてもトラブルが起こりやすくなってしまいますから、適切な距離を保って少しでも楽しめるように、事前にできることはしておきましょう。

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