「高齢化社会」と聞いて、ただ高齢者が増えているという程度の認識の方は意外と多いようです。

今回は日本に暮らす高齢者の人口と割合、そしてこれからどのように変化していくのかをまとめました。

実はこの高齢化社会は私たちの将来への影響も大きく、無視できない状況になっているのです。
皆さんが高齢化社会の問題点や対策について考える機会になればと思います。

安心して老後を迎えるためにも、私たちにできることは何なのか、一緒に考えていきましょう。

誰も経験したことがない程の高齢社会?

2016(平成28)年の敬老の日を迎えるにあたり、総務省が高齢者の人口を発表しました。
国勢調査を元に計算された65歳以上の人口は約3,461万人で、日本の総人口のおよそ27.3%にも上ります。

この数字は過去最高で、主要国の中でも最も多く、「誰も経験したことがない」状況と言えるのです。
前年の、人口3,388万人・26.7%に比べ、約73万人・割合は0.6ポイントの増加となっています。

国民の12人にひとりが80歳以上!

高齢者を年齢別に見てみましょう。

70歳以上 2,437万人 割合19.2%(前年に比べ+19万人、0.2ポイント増加)
75歳以上 1,697万人 割合13.4%(前年に比べ+59万人、0.5ポイント増加)
80歳以上 1,045万人 割合8.2%(前年に比べ+43万人、0.3ポイント増加)

おおよそですが、5人にひとりが70歳以上、7人にひとりが75歳以上、12人にひとりが80歳以上になる計算ですね。

女性の3割は高齢者!

男女ではどうなっているのかというと?

男性 約1,499万人 男性総人口の24.3%
女性 約1,962万人 女性総人口の30.1%

はじめて女性高齢者の割合が30%を超えました。

ちなみに、65歳以上の女性100人に対する男性の人口は約76人で、0歳から15歳では105人、16歳から64歳では102人ですので、65歳ではじめて男女比が逆転していることがわかります。

これが70歳以上で70人、75歳以上で64人と男性が減少していき、90歳以上ではなんと女性100人に対し男性は31人、100歳以上ではたったの16人になってしまいます。

たった4ヶ月で総人口が20万人も減った?

高齢者が増加する一方で、日本の総人口は2008年の1億2808万人をピークにどんどん減少しています。

2016年11月には約1億2693万人、そして2017年(3月1日現在)1億2676万人と、たった4ヶ月で20万人近く減少してしまいました。

さらに100年後には、現在の半数程度にまで減ってしまうかもしれないと言われています。
総人口が減少することによって高齢者の割合はどんどん大きくなっていき、より高齢化が進んでいくのです。

2025年・超高齢化社会へ

超高齢化社会
ここ数年でも増加を続けている高齢者ですが、2025年に一気に増加することになります。

1947~1949年の「第一次ベビーブーム」で生まれた約800万人を団塊の世代と呼びますが、その「団塊の世代」が2025年に75歳以上の後期高齢者になるのです。

65歳以上の高齢者の数も2025年には3,657万人となり、3人にひとりが65歳以上・5人にひとりが75歳以上の高齢者という超高齢化社会に突入します。

2042年の高齢者数は3,878万人と増加のピークを迎えますが、75歳以上の割合は2055年に25%を超えると見込まれています。

2025年を迎えるまでに高齢者の生活に対する制度を安定させる必要がありますが、少子化により支える人手も不足しているため困難を極めています。

さらに2050年には65歳以上の高齢者ひとりに対し20~64歳は1.2人と、負担はとてつもなく大きくなっていきます。

あらゆる点の悪化が予想される2025年問題

2025年に団塊の世代がまとめて高齢者になり、65歳以上の独居や夫婦のみの世帯も急激に増加するといわれています。

その結果「老老介護」や「認認介護」は当たり前になるでしょう。

認知症患者は増加し続け、要介護認定される高齢者も同時に増加するわけですから、社会保障や医療、介護の問題も発生します。

施設は現在以上にますます足りなくなり、医療や介護現場の人手不足もさらに深刻化することになります。
これにより、孤独死や介護疲れも今より増加することが予想されるのです。

これらの問題をまとめて「2025年問題」と呼びます。

ひとりひとりができることを少しずつ

この先急激に進む高齢化社会に向けて、私たちにできることはあるのでしょうか?
根本的な解決法としては、労働力たり得る15歳〜64歳のいわゆる「生産年齢人口」を増やすことが考えられますよね。

ですが、ご存知の通り高齢化とともに少子化も問題となっており、高齢者は増加しているのに生まれてくる子どもは減少しているという悪循環が生まれています。
地域や身近なところで助け合い、少ない人数で高齢者を支えていくことも大切です。

介護の問題に関しては、今のうちから健康を意識して要介護にならないように気を付けることも重要ですね。
ご両親や祖父母などの高齢者、近い将来高齢者になるご家族ともしっかりコミュニケーションをとり、いつまでも元気で暮らしてもらうことも問題の解決に繋がるでしょう。

ひとりにできることは小さいですが、超高齢化社会に突入することはもう確定していますから、全て解決とはいかなくともできることを少しずつやっていかなければいけません。

個人保険や生命保険も活用

シニア保険
社会のためにできることは小さなことかもしれませんが、それでも自分や家族の生活は守らないといけませんよね。
医療費や介護費はどんどん高騰し、さらに増税と支出も大きくなることが予想されます。

私たちが高齢者になる頃は、2025年問題よりももっと深刻になっていることでしょう。
年金も頼りにならないので、個人的な老後の貯蓄が重要になってきます。
要介護にならないためにも、病気は早期に治療しておきたいですね。
施設に入れない可能性があるので、在宅介護などご家族と十分に話し合うことも必要です。

個人年金や生命保険も上手に利用して安心した老後を目指しましょう。

「今」を考えれば「先」に繋がる

高齢化社会について詳しく解説しましたが、自分自身に影響がなければなかなか実感がわきませんよね。

ですが、2025年問題はもう目の前に迫っています。
2020年の東京オリンピックを前に日本はお祭りムードですが、そのオリンピックが終わればすぐに2025年はやってきます。

こうして考えていると頭を抱えてしまいそうになりますが、既に真剣に考えなければいけない時期に入っているのです。
今、そして今後をどのように乗り越えていくのか、一歩ずつ自分にできることを始めてみましょう。

今の高齢者の生活を考えることは、いずれ必ずやってくる私たちの老後にも繋がるのです。

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