高齢者を狙う詐欺の種類は多種多様で、時代や流行に合わせて進化するため、次々に新しい詐欺商法や手口が出てきています。

そんな詐欺の手口から高齢者が身を守るには、どのような詐欺があるかを知って対処法を学んでおく必要があります。

1. 最近増えてきている「送りつけ商法」

高齢者がネットショッピングや通信販売を利用する事が増えたことに合わせて、送りつけ商法という詐欺の手口が出てきています。
大手の運送会社から荷物が手渡されることと、「受け取ったらどうしようもない」という思い込みを利用した悪質な詐欺です。

思い込みをさせて支払わせようとする

送りつけ商法の手口は、まず初めに見知らぬ相手から電話がかかってくることが多いです。

「あなたが注文した○○を送りました」と言われ、身に覚えがない事を主張しても様々な言葉を使ってこちらを納得させようとします。

実際に商品が届くので、「電話で受け取ることになってしまったから…」と受け取ってしまうことが多いのです。
荷物の中には請求書が入っており、期日までに支払わないと督促の電話がかかってきます。

「商品を手に取ってしまったら支払うしかない」という思い込みを利用した手口で、電話口では脅し文句も使ってきます。

見知らぬ商品が急に届いたら

もしも注文した覚えのない商品についての電話がかかってきたら、何を言われてもきっぱりと「必要ない」と断って下さい。

断ったのに商品が届いた場合は、宅配業者にその旨を伝えれば受取拒否をすることができます。
万が一商品を受け取ってしまっても、受け取ってから14日間が経過した場合はその商品を自由に処分できます。

また、相手方に商品の引き取りを請求している場合は7日で処分ができます。

2. まだまだ被害が多い!「振り込め詐欺」

振込詐欺
非常に多い詐欺である振り込め詐欺は、一時期よりも取り上げられることは減っていますが、まだまだ多い詐欺です。
一言で振り込め詐欺といっても、以前のような単純な詐欺ではなく綿密に計算された振り込め詐欺が増えています。

時代に合わせて進化する振り込め詐欺

振り込め詐欺とは、電話やはがきなどで親族に成りすましたり、架空請求を送りつけたりすることで相手をだまし、金銭の振込を要求するものです。
以前はオレオレ詐欺と呼ばれていましたが、手口が多様化したことから、いくつかのタイプの総称として振り込め詐欺という名称が用いられるようになりました。

内容は時代に合わせて変化しており、最近では東京オリンピックや電子マネー、マイナンバー制度などの言葉を使った文面になっています。
高齢者ではよくわからない電子マネーやスマホ料金の支払いという言葉を見ると、知らないうちに使ってしまったのでは?と不安になります。

この不安感を利用して支払いを要求してくるので、とくに高齢者が被害に遭いやすい詐欺の1つです。

お金を急かされたら「怪しい」と疑うこと!

振り込め詐欺に共通している点は、「お金の支払を急かす文面が必ずある」ということです。

例えば「○月○日までに支払わないと裁判になる」と記載されていて、この期日が短期間に設定されていたりします。
時間がない!と焦ると、人は正常な判断をしづらくなっていくので、このような心理を利用した悪質な手口です。

お金ではなく電話やメールで連絡をと書かれていることもありますが、絶対に連絡をしてはいけません。
記憶にない利用料金の請求がされても基本的には無視で大丈夫ですが、不安な場合は消費者センターに相談をして下さい。

3. ネットを利用した詐欺、「ネット犯罪」も多い

ネット犯罪には非常に多くの種類がありますが、特に高齢者はフィッシング詐欺に注意をしたいところです。
ネットの知識が少ない高齢者は、現役世代よりも正しい対処をするのが難しいでしょう。

個人情報を入力させる「フィッシング詐欺」

電子メールや偽のホームページに利用者を導き、クレジットカードやアカウントの情報を入力させ、それを盗むのがフィッシング詐欺です。
そしてその情報が売られてカードが不正利用されたり、ハッキングの被害といった大きなトラブルに巻き込まれます。

銀行や大手通販サイトなどを模倣している事が多く、本物のサイトそっくりな作りをしているので、高齢者はもちろん現役世代でも見分けが付きにくいところが厄介な詐欺です。
メールの文面で怪しいと思えれば大丈夫ですが、高齢者はいつも利用しているサイトや有名会社の名前を見ると安心してしまいがちです。

ネット犯罪やフィッシング詐欺に巻き込まれない為に

高齢者をネット犯罪や詐欺から守ることは非常に困難ですが、有効な手段としては「個人情報を入力する際はブックマークから必ず利用する」という決まりを作ることです。
「メールで送られてきたアドレスは開かない」「知らないアドレスからは受信しないようにする」といった手段も有効です。

高齢者が怪しいサイトを見極めるのはとても難しいので、そういったサイトに行かないように未然に対処をしておくことが重要です。
ウィルスソフトの導入も非常に有効なので、常に最新のウィルスソフトを利用するように心がけましょう。

4. イベントや時代に合わせた「投資詐欺」

投資詐欺

投資詐欺は昔からある詐欺の1つで、被害額が高額になりやすいです。
何らかの事業への投資を持ちかけて、配当金を全く払わずにお金を持ち逃げするというのが投資詐欺ですが、その内容は常に変化しています。

最近では東京オリンピックに関連した投資詐欺が非常に増えているようです。

様々なタイプがある投資詐欺

投資詐欺にも様々なタイプがあり、最初の数回だけは配当を支払い信用させるタイプの投資詐欺なども存在します。
あの手この手で投資者を安心させ、詐欺であることの発覚を遅らせて逃げ延びるという手段の1つです。

他にも配当が始まるのがずっと先であったり、配当を渡した上で更に儲かるために高額の投資を要求してくるパターンもあります。
投資詐欺はきちんとした投資と見分けが非常につきにくいので、怪しいと感じたり、個人的な投資を持ちかけられた場合は警戒した方が良いでしょう。

美味しい投資はまずは疑うべき

投資詐欺の大きな特徴としては、元本保証がされていたり、利益が大きい、確実に儲かるといった甘い言葉があることです。

また、投資先がいかに安定しているか、大きな会社なのかというアピールが強いのも特徴です。
「なぜ自分に投資話がきたのか?」ということを冷静に考えてみて、疑問があれば疑うようにしましょう。

どんな詐欺にもできる有効な対処法!

このように高齢者を取り巻く詐欺は非常に種類が多く、手段も変化に富んでおり詐欺であると気づくことが困難です。

しかし、いずれの詐欺も「冷静に考えるとおかしな点が多い」「お金の支払いを妙に急かす」という共通点があります。

特に電話口やメールで支払を急かすのは、パニックにさせて正常な判断や他人に相談するスキを与えなくするために行われています。
ですから、見知らぬ相手からお金を請求されたら、とにかく誰かに相談をすることが重要です。
絶対に慌ててお金を支払うことはせず、家族や近所の知り合い、消費者ホットラインにすぐに連絡をしてみて下さい。

また、高齢者と一緒に住んでいる家族はコミュニケーションをしっかりと取り、高齢者が1人で抱え込まないようにしてあげることも大切です。

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