年をとると体が痛い、体力がなくなってしんどいという話はよく聞きますが、実際にその状況になってみなければ本当の意味では理解できないものです。
そこで今回は、高齢者の気持ちになれる「高齢者疑似体験セット」をご紹介します。
高齢者の体はいったいどのようなものなのかを実際に体験することで、高齢者を大切に思う気持ちを養うことができます。
要介護者の気持ちを知るきっかけにもなりますので、ご家族の介護をしている方にもおすすめですよ。
高齢者疑似体験セットは教育現場でも活躍!
自分が高齢者になる時に備えるためや要介護者に共感するため、どのような補助が必要なのか理解するためなど、目的は様々です。
また、子どもの道徳教育のために利用されることも多々あり、高齢者を大切に思う気持ちを知ることで、優しい心を養うことができます。
最近では手軽に体験できるよう比較的低価格で販売されていますので、活用してみてはいかがでしょうか。
様々なアイテムで動きや機能を制限

装着することにより、体の様々な部位の動きや機能を制限します。
必要なものが全てセットになっているものや、複数人のグループで体験する場合に便利なセットもあります。
複数人用は、以下の道具に消毒液や収納ケースなどが付属されたものです。
特殊ゴーグル
視野などを制限することで高齢者の視覚状態を体験できます。
「白濁」「黄変」「視野狭窄」「全盲」のシートで視覚障がいの症状を変更することも可能です。
イヤーマフ
難聴など、聴覚の障がいを体験できます。
重りベスト
加齢による体の重みを体験できます。
体力に応じて重りを変えられるベストです。
姿勢固定ベルト
腰曲がり姿勢になれるベルトです。
前かがみの姿勢で固定することにより、目線や動きを制限される不自由を体験できます。
サポーター
特殊なプレートの入ったサポーターで、ひじ・ひざ用があります。
関節の動きが制限され、運動機能の低下を体験できます。
重りバンド
重り付きのバンドを手首・足首に装着し、体が重い・まっすぐ歩き辛いなど運動機能の低下を体験できます。
手袋
ものを掴みづらい、落としてしまうなど、高齢者の手先の不自由さを体験できます。
アルミステッキ
疑似体験中の歩行を支えます。
高齢者にステッキがどうして必要なのかを知るきっかけにもなります。
ゼッケン
目立つ色のゼッケンで、疑似体験中であることを周りに知らせます。
この他にも、重り付きスリッパなどをセットに含んだ商品もあるようです。
これらは装着する組み合わせ次第で、様々な年齢の状態を体験することができます。
装着したまま日常と同じように行動してみることで、高齢者が日ごろどのような不便を感じているのか実感することができるでしょう。
外出時はもちろん、自宅の中でも事故が多い理由が理解できるはずです。
自宅にあるもので代用できる!
低価格とはいえ、ご家族で体験するだけでは購入まではなかなか踏み切れないですよね。
実はこの高齢者疑似体験セットは手作りしたり、別のもので代用したりできるものもあります。
例えば、前かがみ姿勢のベルトは紐や手芸用のベルトなどで結んで固定、重りつきのベストはポケット付きの洋服やベストに砂を詰めた袋を入れることで簡易的に再現が可能です。
サポーターはタオルを広げた状態で関節部分に巻き付けると曲げ伸ばしが難しくなります。
簡易的ではありますが、手作りなら気軽に体験することができますので、みなさんで協力して楽しく体験してみてください。
また、手作りや代用品であっても身体機能が制限されることには代わりありませんので、安全にはとにかく注意して行うようにしてください。
その時の、安全に注意するという気持ちは高齢者が常に感じている不安に近いものと言えるでしょう。
高齢者の気持ちを知ることは良い介護生活のきっかけに!
近ごろでは、特に意識していなくとも「介護うつ」や「介護によるストレス」の話をよく聞くことと思います。
ご家族などの介護で精神的な負担が大きくなり、うつ病やうつ状態に陥ってしまうことがあるのです。
悲しいことですが、介護を苦にしての無理心中や介護殺人も発生しています。
このように、介護は過酷なものとして介護者側の苦悩はよく取り上げられますが、実は要介護者もストレスを抱えているのです。
今まで出来ていたことが出来なくなってしまった悔しさや、家族に負担をかけていて申し訳なく思う気持ち、そして申し訳なく思うからこそわがままを言えず溜め込んでしまうことがあります。
「こうして欲しい」という要望を伝えられずに我慢している高齢者はたくさんいるのです。
高齢者疑似体験をすることで、要介護者や高齢者が伝えられずにいる「して欲しいこと」を理解し、お互いにストレスフリーな毎日を送るための機会を得ることができるのです。
子どものうちから優しさを養うことの大切さ
前述のように、高齢者疑似体験セットには高齢者の体の状態や身体機能の状況を実際に体験してみることで、優しさを養う目的もあります。
体力や身体機能の低下、そしてそれらによる辛い気持ちを知ることで、高齢者がどれだけ苦労しているかがわかるようになります。
そうすることで、街で困っている高齢者に手を差し伸べたり、ご家族の高齢者が困らないように考えて行動したりすることができるようになるのです。
高齢者を大切に思い、助けてあげようという優しい気持ちや敬う気持ちを養おうと、小学校や児童館などで体験学習が行われている地域もあります。
こういった内面的な部分は一朝一夕で身に付くものではありませんので、子どものうちから体験することは大切なことですね。
ひとりひとりの意識が優しい社会を作る
高齢者はこれからも増加を続け、ご家族や親戚、ご近所や知人にも高齢者が増えてくることと思います。
直接介護に関わることはなくとも、高齢者と触れ合う機会があった時に、高齢者の気持ちを理解した行動がとれると良いですよね。
高齢者が喜んでくれることはもちろん、自分や周りの人たちも嬉しい気持ちになれるはずです。
これからの高齢化社会では、協力や助け合いは非常に重要になってきます。
みんなが他人や高齢者を思いやることのできる、優しい社会をひとりひとりが目指していけたら良いですね。
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