高齢者のネットショッピング利用が増加している3つの理由

近年では当たり前に利用されているネットショッピングは、スマホやパソコンを使う若い世代のものだと思われてきました。

しかし、最近では若い世代だけでなく高齢者にもネットショッピングが広まり、利便性の良さから利用者が増えてきています。

高齢者のネットショッピング利用増加の理由はどういったところにあり、高齢者が喜ぶ理由とは何なのでしょうか？

便利さに気が付いた高齢者たち

自分の目で見て、手にとって購入することが当たり前の世代は、少し前まではネットショッピングを嫌う傾向がありました。
実物を見られない不安、本当に商品が届くのかという疑念が強いため、ネットショッピングは怖いものだという印象があったためです。

近年ではそのイメージが払拭されつつあり、便利さが強調され始めたことが高齢者にもネットショッピングが広まった一因となっています。

ここからは、高齢者のネットショッピング利用が増えている、より具体的な3つの理由を見ていきましょう。

1. 高齢者の独居や孤独化が増えている

悪いイメージが消えたことに加えて、高齢化と過疎化によって高齢者の独居が増えたことも理由となっています。
飲料や調味料などの重いものや、トイレットペーパーなどのかさ張るものは、高齢者1人では運ぶことが難しい必需品です。

息子・娘や孫と同居していれば買い物を手伝ってもらうことができますが、独居となると頼れる人は少なくなってしまいます。

近所との付き合いが希薄になりつつある現代では、ネットショッピングに頼る道を選ぶ高齢者が増えているのです。

2. 過疎地域などの買い物弱者の増加

テレビなどでも度々取り上げられますが、過疎地域の買い物弱者が増えつつあることも高齢者のネットショッピングが増えた大きな理由です。
過疎地域は経営が難しいことからスーパーが撤退することも多く、買い物が困難になりがちです。

自動車の運転ができれば買い物は可能ですが、最近は高齢者の交通事故が増えているため運転を自粛する人も増えています。

買い物をしたいけど足がないという買い物弱者の増加は、ネットショッピング利用者の増加に繋がっているのです。

3. 高齢者へのスマホやパソコンの普及

若い世代や、デジタルに強い人間向けだったスマホやパソコンですが、その簡略化や高齢者向け商品の開発の勢いがまさに日進月歩であり、高齢の利用者も確実に増えています。

これによって高齢者もインターネットを使えるようになり、高齢者のネットショッピング利用増加に一役買っているわけです。

これからさらに操作が簡単になれば、高齢者への普及とネットショッピングの利用はますます増えることになるでしょう。

高齢者にとって利点の多いネットショッピング

高齢者がネットショッピングを利用する最大のメリットは、買い物に行かなくても自宅まで欲しいものが届く点です。

この利点は、特に単身世帯や高齢者夫婦の世帯には大きいものですが、それ以外にも多くのメリットがあります。

たくさんの商品の中から選ぶのが楽しい

ネットショップには、少し見ただけでも驚くほど多くの品揃えがあります。

高齢世帯は生活の範囲が狭く、買い物に行くとしてもごく限られた店舗だけになっていることがほとんどです。

そんな中で、数え切れないほどの商品を自宅で好きな時に見て、楽しみながら買い物ができることは高齢者の大きな楽しみになりつつあります。
ネットショッピングを楽しんでいる高齢者の多くは「商品を選ぶのが楽しい」という感想を持っているのです。

配達が迅速で利用しやすくなった

ネットショッピングは、24時間365日いつでも好きな時に楽しむことができます。

好きな時にいつでも購入できて、最短では翌日に持ってきてくれることもあるネットショッピングは非常に便利です。
地域によっては、ネットスーパーを利用することで当日に届くこともあります。

昔はネットショッピングというと、届くまでに時間がかかるイメージがありましたが、近年は注文から到着までが非常に早くなっています。

これも高齢者にとっては大きなメリットです。

実店舗で購入するより安い商品も多い

価格競争が激しいネットショップでは、常に値下げ合戦が行われています。
同じ商品でも非常に多くの店舗が取り扱っており、値段や送料も様々な設定がされています。

この価格競争によって、ネットショップの方が実店舗よりも安く購入できることが多くなっているのです。

年金生活の高齢世帯や、介護費がかかる世帯では節約は非常に重要になりますから、消耗品や必需品を少しでも安く購入できるネットショップは非常にありがたい存在と言えます。

どのような商品が高齢者によく購入されているのか

では、高齢者がネットを使ってどんな買い物をするのかというと、やはり目立つものは食品や生活必需品ですが、医療品も常に利用率が高い商品になっています。

年末にはおせちも！

高齢者だけの世帯の場合は買い物弱者になることが非常に多いです。

地域によっては訪問販売が行われていますが、そういったシステムが無い地域も依然として多く、自分たちの好きなタイミングで買い物がしたい世帯ではネットショッピングが利用されます。

食品をネットで購入することに抵抗を持つ方も少なくありませんが、品質の良いものが届くことが当たり前になってきているので、そのイメージも薄れつつあります。
米・飲料水・調味料・おむつ・トイレットーペーパー・ティッシュペーパーなどの購入が多く、いずれも重かったり、かさ張ったりするものです。

年末になると、おせちや高級品の購入も増え、ネットショッピングが高齢者の生活に根付きつつあることがよくわかります。

医療品は送料がかからず便利

食品や生活必需品に続いて多いものが医療品で、解熱剤や風邪薬、かゆみ止めなど、よく使われるものが目立ちます。
医療品は食品などのようにまとめ買いされることは少なく、単品や少量の購入が大多数を占めています。

そこで気になるのはネットショッピングに付き物の送料ですが、医療品は小さなものが多いため、単品購入の際は定形外郵便などで送料を抑えることができるのです。

これも医療品がネットショップで購入される理由の一因となっています。

プレゼントを送る時も便利

高齢者がお金をかけることが多いのが孫や子どもへのプレゼントです。
若い世代の流行に疎くても、ネットショップを見るとランキング形式で人気の商品がずらりと並んでいます。

これを見れば、どのようなものが喜ばれるのかを簡単に想像でき、たくさんの品物から選ぶこともできます。
孫や子どもの喜ぶ顔を想像し、楽しみながらプレゼントを選ぶことができるということは、高齢者にとっては何よりも嬉しいことと言えますよね。

また、ネットショッピングはギフト券やカタログの取扱も多いため、お返しや贈り物に困った際にも利用されることが多いのです。
相手先の住所を伝えることで直接発送してもらえるので、手軽にプレゼントができる点も喜ばれている理由でしょう。

高齢者のネットはもう当たり前！

高齢者がネットショッピングを利用することが増えた背景には、このような利点や便利さ、そして楽しみがあります。
同時にスマホやパソコンが誰でも簡単に使えるようになったこともあり、高齢者のネットショップ利用は当たり前になりつつあるのです。

高齢者向けのショップや介護用品専門のショップも出てきていますので、高齢者のネット利用はこれからさらに増えるのではないでしょうか。