介護老人保健施設って何？特別養護老人ホームとの違いは？

介護を目的とした施設を調べたり探していると、様々なタイプの施設が出てきますよね。
「老人ホーム」と一言でまとめられることが多いですが、実は施設によって全く違う目的を持っています。しかし、「介護老人保健施設」と「特別養護老人ホーム」は混同されることが特に多いです。

ここでは、主に介護老人保健施設について詳しく解説していきます。

介護老人保健施設ってなに？

介護老人保健施設とは、簡単に言うと、生活する場と病院の中間に位置する施設です。
病気を抱えており治療が必要な方が入所することが多く、自宅での生活が難しい場合に一時的に入所する場所です。
病院としての役割も担っている為、自力での生活に復帰できるようリハビリを行うことも出来ます。

介護老人保健施設と特別養護老人ホームの違い

混同されがちな「介護老人保健施設」と「特別養護老人ホーム」ですが、実際は全く違う施設です。
介護老人保健施設は、自立を目的として一時的に入所する施設であるのに対し、特別養護老人ホームは生活の拠点となる施設です。
特別養護老人ホームは、「一杯で入所できない」という問題が取り上げられることが多く、入所条件も介護老人保健施設より厳しくなっています。

介護老人保健施設の目的は自宅に帰ること

介護老人保健施設の目的は、治療やリハビリを行い、施設を出ても自分で生活出来るようにすることです。
一生利用する場所ではなく、「治療の一環として利用する施設」といった位置づけです。

介護老人保健施設で受けられるサービス

介護老人保健施設で受けられるサービスは、医療寄りのものが多く、リハビリがその多くを占めています。
医師が常駐していることも大きな特徴で、看護師も必ず配属されています。そのため、病院に近いサービスを受けることが可能です。
生活面では入院生活と大差なく、治療やリハビリをメインとした生活を送ることになります。

介護老人保健施設のメリットとデメリット

治療と自立を目的とした介護老人保健施設には、非常に多くのメリットがあります。
しかし、医療寄りの施設であることをきちんと把握していないと、デメリットを感じてしまう可能性もあります。

介護老人保健施設の良いところ

介護老人保健施設のメリットとして一番に挙げられることは、医療と機能訓練が充実しているという点です。
常駐の医師がおり、専門家の支持を得ながら治療やリハビリが行える点は、介護老人保健施設ならではのメリットです。
また、利用料が安く、入所時にかかる費用も無いため入所しやすいという点も特徴です。

介護老人保健施設の悪いところ

治療と自立を目的としていることから、「施設で生活をする」というよりも「入院する」というイメージに近いです。
その為、長期入所は難しく、部屋も個室ではなく多床室であることがほとんどです。
老人ホームのようなイベントやレクリエーションもあまりありません。

このように、自宅への復帰を目的として一時的に入所するには最適な施設ですが、落ち着いて長く入所したいという方には向きません。
特別養護老人ホームとの違いをきちんと認識し、ご自分に合った施設に入所するようにしましょう。

介護老人保健施設の入所基準や費用について

介護老人保健施設は、特別養護老人ホームよりも入りやすく、費用の面でもかなり安く済むことが多いです。しかし、入所基準があるため、誰でもすぐに入所出来るわけではありません。

介護老人保健施設に入所できるのはどんな人？

介護老人保健施設の入所対象となるのは、原則として「要介護度1以上で、65歳の高齢者」の方です。
これに加えて「病状が安定している」「入院治療の必要がない」といった、急変の可能性が低い安定した状態が条件となる施設も多いです。
しかし、40歳～64歳でも特別疾病に認定されている場合は、入所基準を満たしているとされ、入所可能です。

介護老人保健施設にかかる費用

介護老人保健施設は初期費用が必要なく、代わりに月額費用が特別養護老人ホームよりも高めに設定されています。
世帯収入や課税状況で異なりますが、月額8万円～13万円程度に設定されることが多いです。

自宅へ復帰するために介護老人保健施設を上手に活用しよう

介護老人保健施設は、長期に渡り生活を送る老人ホームではなく、リハビリ目的で入院する病院のようなイメージが強いことが分かりますね。

そのため入所者の回転も比較的早く、入れなくて困る、という状態が少ないことも特徴です。

介護老人保健施設を上手に使うことで、社会復帰や家族との快適な生活を取り戻すことができるかもしれません。

病気による問題を抱えている場合は、一度入所を検討しても良い施設だと思います。