将来を見据えたバリアフリー化のリフォーム。
この先どうなるのか、予想がつかないままプランを立てるのは、本当に難しいことです。
状況が次々に変化していくので、その都度柔軟な対応が求められます。
その手すり今すぐ必要ですか?必要な場所は変わっていきます
将来のため取り付けた手すりですが、かえって暮らしにくくなることもあるのです。
手すりが必要となる位置は、年齢や身体の状態によって高さ・左右・向きが異なってきます。
しかし、現在右利きの人が、将来も右手で手すりを握るのかどうかはわかりません。
実際に使う時には、利き手である右手の握力が弱まったため手すりが掴めず、反対側につけ直した、ということもあります。
また、どちらの手でもつかめるようにと両側に付けた結果、車イスが通れなくなり外したケースも。
まだ介護が必要のない現時点では、将来手すりを取り付ける可能性がある壁に補強下地を入れておく、などの準備をするくらいでいいでしょう。
壁紙を張り替える際にでもついでに、というくらいがちょうどいいかもしれません。
もしもの時のために階段リフト!階段の幅や壁の強度に気をつけて
もしものことを考えてつけた階段リフト。壁にレールを取り付けて、椅子に座って昇り降りできる、たしかに便利なアイテムです。
ですが、まだそれを使う人がいない段階でつけることは必要でしょうか。
数年たっても誰も使わなかっただけではなく、階段の幅が狭くなり使いづらいものとなってしまった例もあります。
点検費用も高いので保守点検もやめてしまえば、本当に使用することになった時、動くのかもわかりません。
まずは
- その階段の壁がリフトをつけるのに十分な強度を持っているのか
- リフトをつけた際に階段の幅がどの程度狭くなるのか
- 狭くなっても他の家族が使う幅は確保されるのか
などを調べておく程度でいいでしょう。
強度が充分でない場合や、幅が狭くなりすぎて他の家族が通れない可能性がある時は、他の手段を考えなくてはなりません。
浴室リフトの導入は慎重に。すべり止めや段差解消も大切
要介護者の入浴を介助する時に、持ち上げて浴槽に入れるのは大変な場合も。
そんな時に、一見すると役立ちそうな「浴室リフト」ですが、導入に関しては気をつけるべき点もあります。
「浴槽に入る際に使うリフト。他の家族にとっては入るのに邪魔だった上、それを使うはずだった家族は施設に入ってしまった。」
「浴槽の横につけた手すり。しっかりと丈夫なものをつけたが、太すぎて肝心の要介護の家族には掴めなかった。位置もあまり考えずにつけたので結局は無駄になった。」
こういったケースもあるからです。
介護が必要な方は、健康な時には難なくできることが、できなくなってしまいます。
あくまで要介護者本人が使いやすいものを選ぶことが大切です。
また自宅での介護では、要介護者だけではなくその家族も一緒に生活します。
ですから、いくら介護の面で便利でも他の家族が使用できなくなったり、すごく使いづらくなる場合は、他の手段がないかよく考える必要があるでしょう。
浴室の場合は滑らないようにすべり止めマットを敷いたり、段差解消のためにスノコを置いたりすることが大切です。
こういった方法であれば手軽なので、必要な時が来たら用意すればいいでしょう。
車イス生活の対策はあえて最低限にすることも必要
車イスが必要になったら、「家中をリフォームして車イス対策をする必要がある」と思いがちです。
確かに段差をなくすための対応は必要です。
ですが場所によっては、手すりや掴まれる家具などを使って伝い歩きをする、という方法もあります。
できるところでは足を使えば、身体の衰えの防止にもつながります。
いざという時のために様々な状況に対応できる下準備を
介護リフォームにおいて大切なことは、今すぐ手すり等をつけることではありません。
いざという時に困らないよう、将来の様々な状況に対応可能な下準備をすることでしょう。
例えば、
- 床をフローリングにかえる時に段差をなくすようにする
- 扉を開き戸から引き戸にかえる(できれば床にレールのない吊り下げドアが望ましい)
- いざという時には階段を昇り降りする必要が無いように、1階だけで生活できる間取りを考えておく
などはどうでしょう。
年齢に関係なく、赤ちゃんから高齢者まで安全に暮らせるようにしたいものです。
一般的な想定による備えと、その家族・家に合わせた具体的なリフォームを考えましょう。
一度リフォームのプロである、施工業者などに相談してみるのもいいかもしれませんね。
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