介護に向けて階段昇降機の設置を考える場合

高齢化に伴い、自宅の1階部分での生活にシフトする人たちも多いようです。

生活の中で直面する問題として、「階段の上り下りができなくなる」という事実が立ちはだかることになるからです。

でも2世帯で住んでいるなど、状況ゆえに1階部分だけでの生活は難しく、2階と1階の行き来が必要になる場合には、介護用エレベーターの設置を検討することになると思います。

2階建ての家でエレベーターそのものを設置するのは現実的ではないので、ほとんどの家庭では階段を利用して電動で移動できるようなシステムを設置します。

階段昇降機という名前でも知られています。

階段昇降機の設置で行き来する

階段昇降機は、欧米の家庭においては一般的に介護用品として普及しています。

欧米に比べると、日本ではまだ一般化していないように思われるのですが、それでも利点に気づいて施工事例が増えています。

最初は付き添いがあればなんとか階段の上り下りができる状態かもしれませんが、年齢や症状の進み具合によって、ゆくゆくは付き添ってあげても本人にとって移動がかなり負担となってしまいます。

そんなときにサポートしてくれるのが階段昇降機です。

介護用エレベーターと聞くと大掛かりな工事が必要で高価のようなイメージを持つかもしれませんが、実際は今ある階段に専用のレールを取り付けて、そのレールに沿って設置されている椅子ごと、あるいは車いすごと移動することを可能にする、実際的かつシンプルなシステムです。

施工自体はそれほど難しくないのですが、設置するためにはある程度の条件にかなっていなければなりません。

たとえば、人がぎりぎり通れるようなスペースしかない階段では、階段昇降機を設置してしまうと通常の上り下りの妨げになってしまいます。

ある程度のフォルムには対応できるのですが、らせん階段など複雑な形状の階段には設置できません。

通常の施工であれば、業者にもよりますが1日か2日の工事で完了します。

介護リフォームの一環として設置するケース以外にも、単独での施工でも対応できます。

気になるのは費用ですが、まずは介護リフォームを行っている会社を窓口として確認してみてください。

椅子に乗って移動するタイプと車いすごと運ぶタイプでは、価格に大きな開きがあります。

階段昇降機設置に伴う助成金について

現実的に介護に関係するリフォームのことを考えていくと、かなり費用がかかることを知ってびっくりすることがあります。

それでも慌てないでください。

介護に関係するリフォームについては、助成金を活用することができるかもしれないのです。

では階段昇降機を設置するとき、具体的にどれくらいの援助を期待できるのでしょうか？

詳しくは、住んでいる地域の市町村、区の役所の担当窓口まで問い合わせる必要があります。

どの分野にどれだけの助成をするか、それは各自治体によって異なります。

介護のためのリフォームが現実味を帯びてきた段階で、まず自治体から情報を得るようにするのは知恵の道です。

とは言っても、助成金で費用負担が0円になるわけではありません。

階段昇降機を扱っている会社の中には、利用しやすいローンを提供しているところもあります。

単独での工事を考える場合にはそれらのローンの活用を検討できますし、総合的なリフォームを検討する場合にはリフォーム会社に相談してみることができます。

階段昇降機に限らず、介護の分野ではさまざまな面で助成金をもらえる機会がありますので、1つも漏らさず活用するためには業者の助けが必要です。

総合的に介護用リフォームを考えるなら、施工の面で信頼がおけることはもちろんのこと、国や自治体の制度にも精通していて、親切なアドバイスなどのサポートをしてくれる会社を選ぶと便利です。

後になってから気づいて、「どうしてあの会社は教えてくれなかったのだろう」ということがないようにしてください。

できれば、介護のための自宅改造にはいろいろ考えるべきことが関係してきますので、早い段階から物事を進めていくことをおすすめします。

特に、先に工事を進めてから助成金のことを確認して、もっと違う方法で行えば助成金を受け取ることができたことに気づくなど、順番が逆になってしまうことによる問題を防ぐことができます。

できるだけ早い段階で信頼できる会社へ相談しましょう。