高齢者にとっては骨折ひとつでも重大で、そのまま要介護や寝たきりになってしまう方も増えています。
では、骨折を防ぐにはどうすれば良いのでしょうか?
なぜ高齢者に骨折が増えるのか、その原因もしっかり理解して「もしも」の時に備えましょう。

高齢者に骨折が増える理由は転倒・病気など

人の身体は加齢とともに老化し、それにより身体機能・運動機能が低下します。
同時に骨の強度「骨密度」も低下し、小さな衝撃でも骨折しやすくなってしまうのです。
では、どんな時に骨折してしまうのでしょうか?

転倒による骨折が最も多い!

高齢者が骨折してしまう原因の大半は、転倒による衝撃です。
筋力が低下し、足腰が弱ることで歩行が徐々に困難になり、転倒しやすくなります。
骨密度も低下しているので、軽く転んだだけでも重大な骨折に繋がる可能性が高いのです。

「骨粗しょう症」など病気による骨折

骨髄炎、先天的な骨の病気、癌の骨への転移など、病気による骨折の可能性もあります。
このように病気が原因となる骨折を「病的骨折」と呼び、骨密度の低下する「骨粗しょう症」による骨折もこの病的骨折に入ります。

「いつの間にか骨折」することもある

また、高齢者は「いつの間にか」気付かないうちに骨折してしまうこともあります。
最近、テレビCMなどで耳にした方もいるではないでしょうか?
くしゃみや咳をした時の衝撃や、重力や身体の重みを支えられなくなったことで、圧迫された部位の骨が折れてしまうことがあります。
激しい転倒でなくても少しの打撲や、他の歩行者とのごく軽い接触が骨折に繋がることも。
この場合は初期段階では症状に気付きにくく、知らない間に重症化してしまう可能性も高いでしょう。

住宅内での事故が多い!一人暮らしの場合は特に注意

高齢者の転倒による骨折は、意外にも家の中で起こっているケースが多いです。
死亡事故に至っては、道路での交通事故を上回っていると言われています。
過ごし慣れた自宅での生活は油断しやすいですし、また狭い場所や階段で転倒してしまうことも多く、重症化しやすいのです。
また、最近ではひとり暮らしの高齢者が増え、事故に気付かないケースも多く発生しているため特に注意が必要です。

高齢者の骨折は治りにくく要介護になる可能性も

高齢者は若年者に比べて自然治癒力が低下しているため、小さな怪我や軽度の骨折でも治りにくいのが特徴です。
その中でも、大腿骨あたりの骨折は特に治りにくい部位です。
大腿骨とは太ももの骨で、骨折してしまうと歩くことができません。

安静して治癒を待っている間に筋力が衰え、もとの生活には戻れなくなってしまい、最悪の場合にはそのまま寝たきりになってしまう方もいるのです。
平成22年に行われた厚生労働省の調査によると、要介護者のおよそ1割は転倒による骨折が原因です。
こういったデータからも、いかに高齢者の骨折が危険かが分かりますね。

高齢者の転倒による骨折を防ぐ4つのポイント

高齢者
骨折を防ぎ、できるだけ長く健康的な生活を続けて健康寿命を延ばしましょう。
具体的な予防方法をご紹介します。

足腰の強化が転倒を防ぐ!

骨折の主な原因である「転倒」。
転倒を防ぐには、弱ってしまった足腰を強化しましょう
腰をどっしりと構え、しっかりと足を踏ん張り歩けるようになれば、階段や少々不安定な道も怖くありませんよね。
体幹やインナーマッスルを鍛えることで、足腰も強くなります。
最近では高齢者向けの体操教室などもあるので、ご自宅の近くで探してみてください。

バランス感覚をトレーニング

歩行中や立ちあがる際にバランスを崩し、転倒するのを防ぐためには、バランス感覚を養うことが重要です。
体幹を鍛えると同時に、とっさの身のこなしができるように日ごろからトレーニングしておきましょう。
その場で足踏みをし続けるだけでも効果があります。
こちらも高齢者向けの体操教室などで実施されていることがあるので、探してみましょう。

ぴったりサイズの服や靴で物理的に転倒を防ぐ

外出時の服装や靴はついつい楽に脱着できるタイプや、ゆったりした物を選んでしまいがちですよね。
ですが、衣類や履き物はぴったりのサイズが一番動きやすいです。
特に靴は、大きすぎず小さすぎないサイズを選んでください。
脚は浮腫んでしまったり、状況により大きさが変化することもあるので、調整できるタイプのものが良いでしょう。

サイズの合わないものを身に着け続けると、骨格の歪みや痛みの原因にもなります。慎重に選びましょう。
加齢とともにスリ足歩行になってしまうので、スリッパやサンダルよりもスニーカーや運動靴が適しています
また、自宅の床に滑り止めを施す・手すりをつけるなどして、住宅内での事故を防止しましょう。

バランスを崩しやすい体勢は避ける

人によって、バランスを崩しやすい行動や体勢には違いがあるかと思います。
例えば、ある人は靴下を履く時にふらついてしまったり、また別の人は立ち上がる際に倒れそうになってしまう、といった感じです。
靴下なら座った状態で履く・立ちあがる際は手すりなどを掴むなど、ふらつく状態を無理に維持しないようにしてください。
当たり前のようですが、これだけでも転倒のリスクは大幅に減少します。

骨密度低下の予防も非常に大切!

転倒に気をつけていても、くしゃみや重力などが原因で骨折してしまうこともあります。
これを予防するには、根本的に「骨密度」を上げなければなりません。

骨密度が低下する主な原因!女性は閉経後に注意

骨密度は、意識していても加齢とともに低下してしまうものです。
さらに、

  • 運動不足
  • 危険なダイエットを繰り返す
  • 偏った食生活
  • カルシウムやビタミンなどの栄養不足
  • 喫煙や過度なアルコールの摂取

などによって、急激に低下することが分かっています。
また、遺伝や病気により低下することも。
女性は閉経後にホルモン分泌が減少し、骨粗しょう症になるリスクが高まるため、特に注意しましょう。

骨密度低下を防ぐには生活習慣の見直しが大切!

上記のような生活習慣を見直すことで、骨密度の低下を防ぐ、または骨密度が上がる可能性があります。
生活習慣を見直すことは、他の病気を予防する上でも大切です。
病気や骨折を防ぐことにも繋がりますので、まずは食生活の改善や軽い運動など、採り入れやすいものから始めてみましょう。

サプリの力も借りて効率的に予防

効率的に骨密度を上げるためには、骨の成分であるカルシウムやコラーゲン、骨粗しょう症を予防するサプリメントもオススメです。
常用している薬があれば、始める前にかかりつけの医師に相談しましょう。

サプリメントはあくまで「健康食品」であり、これ一つで病気を予防するには少し弱いです。
そのため、上記の運動や生活習慣改善の手助けをしてくれるもの、という認識でいてください。
食生活が改善されれば、サプリメントの成分も身体に吸収されやすくなります。

正しい予防法を身につけて高齢者の骨折を防ごう

今回ご紹介したように、高齢者が骨折すると、要介護や寝たきりになるリスクもあり、大変危険です。
大切なご家族に最後まで元気でいてもらうためにも、正しい知識を身につけて出来る限りサポートをしてあげたいですよね。
高齢者は痛みに鈍くなってしまっていることもあります。
動きが以前と違っていたりしないか、骨に変形は見られないかなど、注意して見ておくことも必要です。
現在高齢のご家族がいなくても、いつか自分自身に必ず高齢期はやってきます。
今回ご紹介したことを意識して、健康的に長生きすることを目指しましょう。

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