初めて介護をする人にとって、これから始まる介護生活はまさに未知の世界と言えます。

そんな時に、どんな施設のどんなサービスを利用すればいいのか、どういった介護をしていけば良いのかなどを一緒に考えて、手引きをしてくれる心強いパートナーがケアマネージャーです。

ここではケアマネージャーについて詳しく解説します。

保険適用で負担なし!

原則として、介護保険制度では利用したサービスの1割または2割を負担することになっています。しかし、ケアマネージャーの利用については10割保険が適用されますので、利用者の自己負担は一切ありません。

しかし、介護給付費の膨張を抑えるため、2018年度の介護報酬改定に合わせてケアプランの作成を含んだ居宅介護支援(ケアマネジメント)を、自己負担1割とする案が浮上していますので、今後の動向には注意が必要です。

ケアマネージャーを利用する時の流れ

ケアマネージャーを選ぶポイント
実際にケアマネージャーはどのようなことをしてくれるのかを、利用する際の流れに沿ってご説明します。

最初の面談ではなんでも相談する

ケアマネージャーはまず、要介護者やその家族と面談を行います。

介護が必要になった経緯や、これからどのように生活していきたいのか、要介護者や家族のまわりの人間関係など、細かく話をしていきます。

直接関係のなさそうな話や経済的な事情についても、気になったことや必要と思われることはしっかり話しておくことが重要です。

介護生活の道しるべ「ケアプラン」の作成

ケアマネージャーは面談をもとに、今後どのような介護サービスを利用するかなどをまとめた計画書「ケアプラン」を作成します。

ケアプランの原案ができたら、その原案をもとにサービス機関の担当者とケアプランの内容が検討され、その後ケアマネージャーからプランの最終確認があります。

これに同意するとケアプランの完成となり、完成したケアプランにもとづいて介護サービス開始です。

関係施設との調整・申請

ケアマネージャーは要介護者が利用する、市区町村や居宅サービス事業所、介護保険施設などとの連絡や調整も行います。

介護保険を利用する場合に必要な、要介護認定の申請もケアマネージャーにお願いをすれば代行して申請をしてくれます。

状況把握のための定期訪問「モニタリング」

作成したケアプランはどのようにして実行されているか、設定した目標に対して効果が出ているのかなどを確認することをモニタリングと言います。

要介護者やその家族をとりまく生活状況は日々変化しますので、ケアマネージャーには最低でも月1回以上モニタリングをすることが義務づけられているのです。

モニタリングをすることで作成したケアプランに修正が必要な箇所がないかを確認し、必要な場合は再度ケアプランの見直しが行われます。

介護保険サービス利用時の書類作成

介護保険サービスを利用する場合、サービスを提供する事業所は介護給付費(利用者負担分を除いたサービス利用料)を国民健康保険団体連合会(以下「国保連」)に請求することになります。

国保連が審査をしたのち、サービスを提供した事業所に対して給付を行いますが、その審査において必要である「給付管理票」と呼ばれる書類を作成するのもケアマネージャーです。

マネージャーリストでケアマネージャーを探す

ケアマネージャーは主に、居宅介護支援事業所や介護保険施設などに所属しています。

まずは、市町村の介護保険課や地域包括支援センターからマネージャーリストを入手しましょう。

マネージャーリストには、その地域で活動をしているケアマネージャーの氏名、連絡先などが記載してありますので、そのリストをもとに利用者が連絡をとります。

ただし、介護認定の認定基準によりケアプランの作成場所が異なるので、注意が必要です。

「要介護1〜5」の認定を受けている場合は、居宅介護支援事業所で活動しているケアマネージャーにケアプランの作成を依頼します。

「要支援1〜2」の認定を受けている場合は、地域包括支援センターで活動しているケアマネージャーに介護予防ケアプランの作成を依頼します。

ケアマネージャーを選ぶ時の3つのポイント

女性のケアマネージャー
ケアマネージャーが要介護者やその家族にとって重要な役割を担っていることは言うまでもありません。

ケアマネージャーを選ぶ時には、以下の3つのポイントを確認しましょう。

1.トラブル時もすぐに駆けつけることのできる人を選ぶ

トラブルが発生した場合にすぐに駆けつけられるように、介護の現場から数キロ以内の、同じ市区町村に所属しているケアマネージャーが良いでしょう。

介護保険は自治体によって申請方法が異なっていることもあるので、その点からもなるべく近い地域から選んでおくと安心です。

また、担当のケアマネージャーが対応できない場合に別の担当者が対応できるような、ケアマネージャーが多く在籍している事業所も良いですね。

2.病気を抱えている場合は医療経験のある人を選ぶ

要介護者は、持病など医療的な配慮が必要な方も少なくありません。

このような場合は、看護師経験があるケアマネージャーであれば、医療的な知識も豊富ですので、より希望にマッチしたケアプランを提案してくれる可能性が高くなります。

また、訪問介護などのサービスを希望している場合であれば、病院やクリニック、リハビリや医療ケアを受けることを目的としている介護老人保健施設などを併設している事業所のケアマネージャーが良いでしょう。

3.聞き上手な人を選ぶ

どんなに知識や経験が豊富で優秀なケアマネージャーでも、こちらの話をしっかり聞いてくれなければ、自分たちに最適なケアプランは生まれません。

中には、自分の考えだけを反映させたケアプランや、利用者の希望を単純に組み込んだだけのケアプランを押し付けてくるケアマネージャーもいます。

こちらの話をしっかり聞いた上で、自身の持つ知識や経験を活かしながら解決策を提案してくれるようなケアマネージャーが理想です。

介護は助け合いが大切

介護にはどうしても大きな負担がかかります。精神的なものや肉体的なもの、経済面での負担もありますよね。

数多くある介護の負担を少しでも減らすためには、一人で抱え込まず、誰かに頼ることが大切です。

ケアマネージャーは要介護者と介護をしているご家族を助けることが仕事ですから、遠慮などせずに小さなことでもどんどん相談しましょう。

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