介護保険制度は、国や都道府県、市区町村が全体の50パーセントを負担して、残り50パーセントは私達国民が支払う介護保険料で賄われる仕組みになっています。
介護保険料には、65歳以上と40〜64歳までの年齢区分が設けられています。
65歳以上は「第1号被保険者」、40〜64歳は「第2号被保険者」とされていて、負担する割合に違いがあり、それぞれ別の算定方法で保険料が決まります。
難しく感じるかもしれませんが、この記事を読み終わる頃には、スッキリ解決しているはずですよ!
65歳以上「第1号被保険者」の介護保険料
第1号被保険者の介護保険料は、各市区町村で計算された「基準額」と、本人または世帯の所得状況で決まります。
基準額はどのように決まるの?
基準額は市区町村ごとに計算して決めるので、市区町村ごとに異なった金額になりますが、計算方法は決まっています。
まず、介護サービスの状況や利用見込みに基づいて予算を決め、予算総額で国民が負担する50パーセントうち、第1号被保険者が負担する割合を設定します。割合によって決まった「第1号被保険者全体の負担額」を「各市区町村の第1号被保険者総数」で割った額が、その地域によって定められた基準額です。
計算式にすると、「予算総額×負担率=第1号被保険者全体の負担額」「負担額÷各市区町村の第1号被保険者数=基準額」となります。式で見ると、意外とわかりやすいですね。
所得の段階分けで保険料を決める
実際に納付する介護保険料は、被保険者の所得で決まります。介護保険料の基準額は決まっていますが、被保険者の所得金額は個々で違いますし、所得の低い方にとっては、基準額分の保険料を納めることが大きな負担になってしまいます。このことを配慮して、所得を段階で分け保険料率を設けます。基準額に保険料率を掛けた金額が、各被保険者の保険料負担額となります。
所得の段階はいくつあるの?
所得の段階は標準で6段階ですが、段階数も基準も各市区町村によって異なります。
標準の6段階はこのように設定されています。
第1段階
生活保護受給者や年金受給者で、世帯全員が住民税非課税
第2段階
世帯全員が住民税非課税で、本人の年金収入が80万円以下
第3段階
世帯全員が住民税非課税で、本人の年金収入が80万円以上
第4段階
本人が住民税非課税(世帯に課税者がいる場合)
第5段階
住民税課税者で、所得金額が190万円以下
第6段階
住民税課税者で、所得金額が190万円以上
参照元:厚生労働省
所得金額によって保険料負担額が決まるので、個人の所得に見合った保険料を納めることになります。
40〜64歳「第2号被保険者」の介護保険料
第2号被保険者の介護保険料は、予算総額で国民が負担する50パーセントうち、第1号被保険者が納める割合の、残りを納めるかたちになります。残りの割合を全国の第2号被保険者数で割った金額が、1人あたりの保険料負担額となります。
これを計算式にすると下記の様になります。
- 国民負担分50パーセント−第1号被保険者による負担率=第2号被保険者の負担率
- 予算総額×第2号被保険者の負担率=第2号被保険者全体の負担額
- 第2号被保険者全体の負担額÷第2号被保険者の人数=1人あたりの負担額
社会保険診療報酬支払基金から、市区町村や健康保険組合などの医療保険者に負担額の通知が行き、医療保険者は通知に基づいて医療保険と一緒に負担額を徴収します。
健康保険に加入している場合の保険料
被保険者の標準月収によって、保険料が決まります。保険料は給料から天引きされるかたちで納付します。サラリーマンの方が健康保険組合へ加入している場合などに該当し、医療保険と一緒にお給料から天引きされるシステムになります。
国民健康保険に加入している場合の保険料
国民健康保険に加入している場合、介護保険料は医療保険料に上乗せして計算されます。お住いの市区町村によって算定方法は異なります。
まとめ
私達国民は介護保険料全体の半分を負担しますが、65歳以上の人と40〜64歳の人で負担率が異なります。定められた負担率を基に、個人の所得を考慮して負担額が決まります。一見複雑そうに思える介護保険料の仕組みですが、式にしてみると意外にも簡単に表すことができて、介護保険制度を身近に感じることができますね。
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