介護ベッドは別名「特殊寝台」とも呼ばれ、身体機能が低下した高齢者などの寝起きや立ち上がる動作をサポートすることで、要介護者だけでなく介護者の負担も軽減してくれることから、その需要はとても高いです。
そのため、多くのメーカーが様々なタイプの介護ベッドを取り扱っています。

ここでは、そんな介護ベッドの選び方について詳しく解説していきます。

介護ベッドの種類は大きく分けて二つある

要介護者のための「介護用ベッド」

一般的に介護ベッドとして認識されているのは、「介護用ベッド」と呼ばれる在宅介護のためのベッドです。

自分で体を起こしたり立ち上がったりする動作が不安定な人でも、そうした動作がしやすくなり、日常生活をサポートしてくれます。
種類やサイズも豊富で、要介護者の身長や体格、介護度などによってベッドのサイズを選ぶことができます。

介護を必要としない人向けの「自立支援ベッド」

介護ベッドには、「自立支援ベッド」と呼ばれる特に介護を必要としない人向けのベッドもあります。
介護用ベッドに比べ機能は必要最小限に抑えられていますが、その分低価格で購入することができます。

サイズもマットレスも一般的なベッドとあまり差はなく、自分である程度の動作が行える人向けのベッドだといえます。

介護ベッド選びはサイズから!

介護ベッド選び

ベッドの幅を選ぶ

介護ベッドを選ぶ際、まずはじめに決めるのはベッドの幅。「ゆったりしている方がいいから」といって、大きめのものを選ぶのは間違いです。
部屋のスペースも考慮する必要がありますし、なにより、ベッドの幅が広ければ広いほど介護がしづらくなると考えてください。ですから、要介護者の体型や介護度によって適切な幅のものを選びましょう。

ベッドの幅は一般的に、83㎝・91㎝・100㎝の3タイプあります。
83㎝のタイプは要介護者に接近しやすいため、介護しやすいといえます。しかし、自分で寝返りがうてる人であれば、少し狭く感じるでしょう。細身の体型、自分で寝返りがうてないという人に適しています。

最も一般的な介護ベッドの幅は91㎝です。やや広めのため、自分で寝返りができる人に適しています。
100㎝は介護ベッドとしては広いタイプになります。普通体型の人だと、介護がしにくくなってしまいます。大柄の体格の人に適した幅です。

ベッドの長さを選ぶ

幅を選んだら、次は長さです。長さは一般的なベッドを選ぶときと同じく、身長で決めます。主にミニ・レギュラー・ロングの3タイプが用意されています。

まず、ミニサイズ。介護ベッドの長さは180㎝であることが多く、身長が150㎝未満の人に適しています。

次に、レギュラーサイズ。介護ベッドの長さは191㎝であることが多く、身長が150㎝以上176㎝未満の人に適しています。
最後に、ロングサイズ。介護ベッドの長さは205㎝であることが多く、身長が170㎝台後半の人に適しています。

介護ベッドはモーターの数だけ機能が増える

1モーターは介護度が低い人向け

「1モーター」というのは、ベッドの本体に内蔵されているモーターの数が一つ、という意味です。
背上げ、もしくは高さ調節の、いずれかの機能を必要としている人に適しているタイプです。一般的には、日常の動作が自立している介護度の低い人に選ばれています。

1+1モーターは背上げと脚上げが可能

2つのモーターが内蔵されており、背上げと脚上げの機能を備えているタイプです。以前は背上げ機能と脚上げ機能が連動しているものが多かったようですが、最近では単独で機能させられるタイプのものが普及しています。

2モーターは最も一般的な電動ベッド

2つのモーターが内蔵されており、背上げ、高さ調節の機能を兼ねているタイプとなります。また、一般的な電動ベッドはこの2モーターの物と認識されていることが多いです。

3モーターは自分で寝返りをうてない人向け

3つのモーターが内蔵されているため、背上げ、高さ調節、脚上げ…と、三つの機能が備わっています。それぞれの機能を単独で使用することができるタイプです。自分で寝返りをうてない人や、日常の動作が困難という人に適しているといえます。

4モーターは多機能!ただし、操作が難しいかも

4つのモーターが内蔵されており、背上げ、高さ調節、脚上げに加え、肩を預けることで寝返りのサポートをしてくれる機能が付いています。機能の多さゆえに操作が難しいという点が唯一のデメリットでしょう。

介護ベッド選びでは、どんな機能が必要なのかを考える

介護ベッド

背上げ機能

ベッドに内蔵されているモーターにより、背中を起こす機能です。角度は0~70度前後まで調整可能です。要介護者にとって困難な寝起きの動作をサポート、楽な姿勢をとることができます。また、介護者が身体を起こすために力を使う必要がなくなるというメリットもあります。安定した姿勢で起き上がることができ、血圧が低い方、反対に高い方でも安心です。オーバーテーブルを備え付ければ、ベッドの上で食事をすることが可能になります。

高さ調節機能

ベッドを立ち上がりやすい高さに調整する機能です。足の裏を床にしっかりとつけた状態にできるため、動作が容易になります。車いすを利用している方の場合、移乗の際の動作を楽にしてくれます。また、介護者の身長に高さを合わせることで、介護しやすくなるというメリットもあります。高すぎたり低すぎたりすると、腰痛を起こしてしまう恐れがあるため、介護者にとっても重要な機能といえるでしょう。

脚上げ機能

背上げ機能と同時に使用することで、身体のずれを防ぐことができます。膝の角度は0~40度程度まで調整が可能です。また、腹部にかかる圧迫感を軽減させることもできます。単独で使用することにより、足のむくみを予防改善する効果も期待できるでしょう。

介護ベッドのマットレスは硬さで選ぶ

柔らかいマットレスは寝心地重視

マットレスが柔らかいと、寝心地がソフトというメリットがあります。しかし、あまり柔らかすぎると身体が沈み込んでしまい、思うように動きが取れないという難点も生じます。ポケットコイルマットレスなどがこのタイプです。

動きやすいのはマットレスが硬いタイプ

マットレスが硬いと、身体が沈み込むことはなくなるため、動きやすいというメリットがあります。しかし、寝心地は柔らかいタイプに比べあまり良くないというデメリットがあります。ファイバーマットレス、高反発マットレスなどが該当します。

長時間ベッドで過ごす人には体圧分散式タイプがおすすめ

体型に合わせてマットレスの硬さを選べるタイプです。床ずれを起こしにくいメリットがあり身体を安定させやすいため、一日の大半をベッドで過ごしているという人に適しているといえるでしょう。

介護ベッドは将来を見据えて選ぶ

「介護ベッド」と一口に言っても、大きさや機能など選択肢は様々です。また、現在の介護度に合わせることも大切ですが、将来的にどの程度まで介護が必要になるのかを見通した上で選んでいく必要がありそうです。

どうしても適切なベッドが判断できないという場合は、ケアマネージャーに相談してみるというのも一つの手です。
介護ベッドを取り扱っているメーカーによっては、ショールームなどで実物を展示、体験できる設備を用意しているところもあります。ぜひ積極的に利用して介護ベッド選びの参考にしてください。

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