現在の日本は高齢化社会であり、将来的には超高齢化社会になるとさえ言われていますから、介護保険制度は益々整備されていくと考えられます。

この記事では「介護保険制度」について詳しく解説していきます。

介護保険制度の対象は40歳以上だけど…?

日本の全国民は、40歳になると介護保険の保険料金を支払う義務が生じ、市町村内に住所を所有している40歳以上の国民が「被保険者」となります。

被保険者は年齢によって「第1号被保険者」か「第2号被保険者」のいずれかに区分されます。

65歳以上は「第1号被保険者」

65歳以上の方は要介護状態となった時、その原因に関係なく被保険者証が公布され、介護サービスを利用することができます。

加齢によって生じる認知症や寝たきりなどの症状ではなく、階段からの転倒事故による症状などでも介護サービスの対象になるということです。

65歳未満は「第2号被保険者」

40歳以上65歳未満の方は、医療保険に加入していなければ第2号被保険者としては認められません。

「特定疾病」と呼ばれる、介護保険法で定められた原因によって要介護状態となった場合のみ介護サービスを受けられます。

「要介護認定」による7段階のランク付け

介護保険制度による介護サービスを受けるためには、「要介護認定」を受けなければなりません。

要介護認定は要介護度とも呼ばれ、要介護状態になった人が、どのくらいの介護サービスを必要としているかをランク付けするものです。

ランクは7段階あり、「要支援1~2」と「要介護1~5」に分けられます。

以下に、それぞれの簡潔な目安を挙げていきます。

要支援1
食事や排せつ、入浴など日常生活のほとんどの動作が自立している状態。一部の動作にサポートが必要。

要支援2
要支援1よりも必要とする支援度が高く、日常生活の一部で介護が必要な状態。

要介護1
排せつや食事、入浴など日常生活の動作においてはほとんど自立している状態。着替えや掃除などでサポートが必要。立ち上がりや歩行などに支えが必要。

要介護2
排せつや食事、入浴などで介護を必要とするものが複数あり、着替えや掃除などでサポートが必要。立ち上がりや歩行に全面的な補助が必要。

要介護3
排せつや食事、入浴などで全面的に介護が必要な状態。着替えや掃除など日常生活も自立していない。立ち上がりや歩行、寝返りなどもできない。目立った問題行動がある。

要介護4
日常生活のすべての動作において、一部もしくは全面的に介護が必要な状態。問題行動が多く、理解力の低下が著しい。

要介護5
日常生活のすべての動作において、ほぼ全面的に介護が必要な状態。寝たきりでほとんど動けないといったケースも含まれる。

「要介護認定」を受けるために必要な4つのもの

要介護認定のランクによって、介護保険の利用限度額に違いがあります。

この金額は、有料老人ホームへの入居はもちろん、在宅介護サービスを受ける時に使える上限額であり、これによって自己負担額を減らすことができるため、要介護者の家族にとっては非常に心強い物だと言えます。

要介護認定を受けるには、本人や家族、またはケアマネージャーなどから市町村への申請が必要です。

申請時に必要なものは以下の4点になります。

  • 介護認定申請書
  • 被保険者証(65歳未満の方は医療保険のもの)
  • 主治医の意見書
  • 印鑑(代理の場合)

その後訪問調査となり、要介護者の心身の状態などが調査され、二回の判定を通してようやく介護認定の通知が届きます。

なお、主治医の意見書に基づいた場合は二次判定のみの場合もあります。

認定されてからサービスを受けるまでの申し込みは、「要支援」と「要介護」で異なるため注意が必要です。

介護保険制度で受けられる3種類のサービス

介護保険

まず、要支援と要介護では受けられるサービスに明確な違いが設けられています。

要介護度が「要支援」の場合に受けられるサービスは、在宅介護サービスの一種である介護予防サービスのみとなります。

要介護度が「要介護」の場合は、在宅介護サービス、施設介護サービスのいずれか一方を選択することができます。

介護保険制度で受けられるサービスは以下の3種類に大別できます。

  • 居宅サービス
  • 地域密着型サービス
  • 施設サービス

「居宅サービス」は在宅で受けられる

居宅サービスは、要介護者が在宅で介護サービスを受けることができるものです。

訪問介護や訪問看護、訪問リハビリテーションなどが該当します。

居宅サービスでは、介護福祉士やヘルパーに排せつや食事、入浴などの介助、着替えや掃除などの日常生活のサポートを受けることができます。

「地域密着型サービス」は地域住民と交流できる

地域密着型サービスは、住み慣れた地域での生活を継続するために設けられたサービスで、市町村によって提供されます。

グループホームなどがこれに該当し、要介護者が地域の人々と交流しながら介護サービスを受けられるというメリットがあります。

「施設サービス」は介護施設に入所して受けられる

施設サービスは「介護老人保健施設」「特別養護老人ホーム」「介護療養型医療施設」のいずれかの施設に入所して受けられるサービスのことです。

入所した施設により、以下の3種類のいずれかを受けることができます。

  • 介護福祉施設サービス(福祉的なサービス)
  • 介護保険施設サービス(中間的なサービス)
  • 介護療養施設サービス(医療的なサービス)

介護保険はベッドの購入や住宅改修にも適用される!

介護保険が適用されるのは、介護サービス以外に、介護環境を改善するために費用が必要な場合も含まれます。

要介護者の自立を支援し、介護者の負担を軽減するための福祉用具の購入やレンタル、住宅改修費などにおいても介護保険が適用されることがあります。

福祉用具の限度額は年間10万円

福祉用具には介護用ベッドや車いすなどが該当します。

福祉用具における介護保険適用限度額は年間10万円までと定められており、購入、レンタルいずれの場合でも一割の自己負担が必要です。

住宅改修の限度額は一生涯で20万円

住宅改修には、手すりの取り付けなどのバリアフリー化のための工事と、それに付随して必要となる工事が該当します。

介護保険の限度額は年間20万円までと定められており、一割の自己負担が必要です。

ただし、転居した時や要介護度が3度以上上がった時などは再度利用することができます。

介護に無関係な人は存在しない!

高齢化社会が進んでいくにつれ、私たちを取り巻く介護保険制度もより整備されていくことでしょう。

介護と全く無関係な人など存在しないのですから、いずれ必要になる介護サービスや介護保険制度について、今後どのように整備されていくのか常にアンテナを張っておくと良いかもしれません。

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