リビングの状況に適した床材リフォームで転倒事故を防ぐ

リビングでの転倒防止のため、まず重要視したいのが「床材」です。特に畳やじゅうたんは滑りやすく、車椅子では移動がしにくいという欠点があります。一方、床材の介護リフォームの際に多く見られるのがフローリング材への変更です。フローリング材は滑りにくく、ある程度弾力があります。弾力があればあるほど、万が一転倒した時でも衝撃の吸収を抑えてくれるので、転倒による怪我のリスク軽減に繋がります。また、車椅子の方は、畳やじゅうたんよりも移動がしやすくなります。

その他、弾力がありクッション性に優れているクッションフロアと呼ばれる床材や、耐久性に優れており、傷みにくいビニル床シート(長尺シート)と呼ばれるものもあります。こちらは車椅子での移動が頻繁でも床が痛まないため、介護施設などでよく使われる床材です。
床材と言っても様々で、それぞれに特徴があります。介護が必要な方の状況や、住宅にあった床材を選ぶことが大切です。

居室での転倒事故が22%も

これは、2010~2012年にかけて国民生活センターが医療機関から収集したデータをまとめた結果ですが、屋内の事故発生場所で最も多いのが居室(リビング)であり、中でも事故原因は転倒が22%を占めます。
しかし、このように転倒しにくい床材に変更することで、これだけ多い転倒のリスクを減らすことが出来ますので、ご本人もご家族もより安心して過ごすことが出来ます。

思わぬ事故の原因に?段差の排除は介護リフォームの基本

段差を出来る限り排除する、ということも忘れてはいけません。一般的に、リビングと廊下など、各室間に段差があることが多いですが、このような小さな段差でも、運動機能が低下している高齢者の方や車椅子の方にとっては躓きや転倒の原因になり得ます。
室間それぞれの床を貼り替えて高さを同じにする、敷居と床の段差をスロープにするといった方法で段差を無くすことができ、思わぬ怪我や事故の防止に大きく繋がります。ご本人だけでなく、ご家族の安心にも繋がるでしょう。

段差を室内から完全に排除するというのは介護リフォームの中でも基本であり、重要なポイントです。

手すりを設置しご本人の体と心に安心感を

さらに安全に過ごすために、手すりの設置も考えたいところ。室内で使用される手すりは主に2種類で、動作補助手すりと歩行補助手すりに分けられます。
浴槽やトイレから立ち上がったり、しゃがんだりする動作を助けるために設置するのが動作補助手すりですが、リビングへの設置の場合、歩行・移動全般を助ける歩行補助手すりの検討をおすすめします。
手すりにも太さ、形状にいくつか種類があり、その方の手の形や、握力の強さなどによって適切な手すりを選ぶことも出来ます。

設置する高さも工夫しなければなりません。身長を考慮し、体を支えやすい手すりの位置、とっさの時に手が伸びる位置、車椅子であれば車椅子に乗った時にちょうど良い高さを計算して設置するようにしましょう。
支えが何もないところを歩行するというのは、ご本人にとっては恐怖にもなります。手すりによって体を支えられるという物理的な部分だけでなく、手すりを支えに移動が出来る、という精神的な安心感を感じられるよう、手すりの設置は必要だと考えます。

従来の開き戸を引き戸に変えてリビングの行き来を自由に

引き戸にリフォーム
車椅子でリビングや室間を行き来する場合、開き戸ではドアが邪魔になり、間口が狭くて通りにくいですが、引き戸は間口が広くとれるので車椅子の方でも通りやすくなりますよね。また、アコーディオンカーテンへ変更する方法もあります。より軽い力で開閉が可能になるので、ご本人の負担が軽くなるでしょう。
リビングばかりでなく他の部屋にも移動がしたい、リビングに行きたいのに通れないというストレスや、ご家族が車椅子介助をする際の負担も、引き戸やアコーディオンカーテンへの変更で軽減するはずです。

家族団欒の中心の場となる大切なリビング。ご本人にとっても、ご家族にとってもより安全で素敵なリビングになるように、発生しやすい事故を予防し、快適に過ごすための工夫を取り入れたリビングの介護リフォームをぜひ考えていきましょう。

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