ホームエレベーターを設置するなら新築時!
足の悪い高齢者や、車椅子を利用している高齢者がいるご家庭、または自分達の老後の生活に備えて、自宅にエレベーターの設置を考えている人は少なくないと思います。
では、ホームエレベーターを設置した時の費用は、一体どれくらいかかるのでしょうか?
新築時に設置した場合の本体・設置費用は300〜480万前後
新築の住宅に、パナソニックのホームエレベーターを設置した場合、積載150kgの2人乗りで300〜340万、積載200kgの3人乗りで330〜480万円で、停止階が何ヶ所かによってかかる設置費用も違います。メーカーによって異なりますが、大体停止階ごとに100万円ずつ上乗せされる事が多いようです。
新築時の2倍!? リフォームの規模によって費用に差が出る後付け設置
ホームエレベーターを取り付ける前提で建てた新築の場合と異なり、リフォームが必要な後付け設置は、設置場所のスペース確保や補強など、住宅の状態によってかかる費用が大きく異なります。
例えば、築年数が20年以上経過した木造住宅は、ホームエレベーターを設置する部分を新たに増築する必要がある場合がほとんどで、その増築費用だけで200万以上かかってしまうことも。
新築にホームエレベーターを設置する場合と比較して、2倍以上の費用がかかってしまうことになります。
木造住宅に最適!自立鉄塔付きホームエレベーター
リフォームでの後付けには、自立鉄塔付きのホームエレベーターを設置する方法もあります。
自立鉄塔とは、ホームエレベーターを設置し、安全に稼働するだけの強度がない場合に取り付けるもので、既存の建物と切り離されているので、建物に負荷がかからないようなっています。1間程度省スペースにも設置が可能で、2階建ての木造住宅におすすめの設置方法です。
費用は設計費と自立鉄骨費合わせて100万〜150万円程度で、エレベーター本体・設置価格追加される形で支払います。
油圧式とロープ式で費用の差はあまりない
ホームエレベーターの駆動方式には、エレベータールームとおもりをワイヤーロープで繋ぎ、ロープを巻き上げ機で上下させるロープ式と、油圧ユニットからの圧力を利用して、油圧ジャッキでエレベータールームを持ち上げる油圧方式の2つがあります。
油圧式、ロープ式共に、木造・鉄筋コンクリートどちらの建物にも設置でき、費用の差はほとんどありません。
大幅リフォームの場合は注意!ホームエレベーターの申請費用
自宅にエレベーターを設置するには、行政庁へエレベーターの確認申請と、工事が完了した後に工事完了検査申請をしなければなりません。
また、エレベーターを設置するにあたって10㎡を超えた増築工事、または建物が防災地域にあった場合は、建物の確認申請も必要です。
申請費用は条件によって異なりますが、申請する際の書類がきちんと整っていて、特別な条件がない限りは15万円前後で済むことが多いようです。ただし、設置の際に大幅なリフォームが必要な場合は、50万円を超える場合もあります。
ホームエレベーターのランニングコストは年間約15万円前後
ホームエレベーターを所有したことで気になるのは、維持費や管理費などの年間費用ですよね。
年1回(または2回)の点検費用、メンテナンス契約、固定資産税の値上がり分が大体の年間費用で、10〜15万円前後になります。
これに加え、エレベーターが油圧式の場合は5年ごとのオイル交換(5万円程度)がかかりますが、メンテナンス契約をしている場合は割引が適用される場合があります。
ホームエレベーターには法定点検が必要
自宅にホームエレベーターを設置すると、建築基準法により、所有者に対して法的な義務が発生します。
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- 維持保全(建築基準法第8条)
エレベーターの設備や正常な運行機能、安全性を確保・維持することです。不具合が起きた場合は速やかに対応しましょう。
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- 検査・報告の義務(建築基準法第12条3項)
エレベーターの状態、使用頻度に応じて、専門の技術者による定期検査を行う必要があります。大抵は年に1回か2回検査をし、検査者は一級建築士か二級建築士、昇降機検査資格者と決められています。
通常のエレベーターの場合は、検査結果を特定行政庁に報告しなければいけませんが、個人の住宅内に設置されているホームエレベーターについては必要ありません。
法定点検の費用は大体4〜5万円になります。
長期的に見た場合は、メンテナンス契約がお得
ホームエレベーターを長期的に使用する事を考えるなら、メーカーやメンテナンス会社とのメンテナンス契約をおすすめします。
相場は年間4〜6万円で、年1回、もしくは年2回の定期検査と特定行政庁への結果報告代行の他に、点検時のバッテリー無償交換、長期契約するほど割引額が増える交換部品代など、もしもの場合に備えたサービスが受けられ、急な故障での着床不良や、ドアの開閉不良で閉じ込められてしまった時など、緊急時にいつでも応対・出動してくれるオプションサービスも充実しています。
一般的に、エレベーターの耐用年数は20年〜30年程度で、早ければ5年後には部品の交換が必要になるそうなので、年間費を惜しんでメンテナンス契約を先延ばしにするよりも、きちんと契約しておいた方が、結果的に費用を抑えることができます。
費用を惜しむあまり、メンテナンス契約をしない状態で放置していたホームエレベーターが故障してしまい、多額の修理費用を払わなければいけなくなってしまった…という話は少なくありません。
固定資産税の評価額が2万円前後
エレベーターを自宅に設置した場合、建物の評価額が上昇し、固定資産税が2万円高くなります。納税通知証が届いてから値上がりに驚く人が多いようなので、覚えておきましょう。
意外と高くない!ホームエレベーターにかかる電気代
エレベーターのような負荷の大きな機械を毎日何度も利用するとなると、気になるが電気代ですよね。しかし、ホームエレベーターにかかる電気代は年間5,000〜7,000円前後と、想像するよりも高くありません。電気代に関しては気にする範囲ではないでしょう。
保証期間内なのに有償修理?!使用頻度は必ず守ろう
ホームエレベーターには型によって使用頻度が設定されており、日常的に使用頻度を超える場合は、エレベーターの部品の寿命が短くなり、通常より早く部品交換する必要がある上、故障の原因にもなります。メーカーによっては保証期間内であっても修理にお金がかかってしまう場合がある為、使用頻度は必ず守るようにしましょう。
使用頻度は、人や荷物が乗っていない状態でも、エレベータールームを動かした時点で1回とカウントされます。
ホームエレベーターを設置する時は予算に余裕を持って
初期費用、ランニングコストと共に、決して安いとは言えないホームエレベーター。設置したものの、維持費が大きな負担になり、生活に影響を及ぼすようでは、意味がありません。
まずは見積りを出してもらい、故障した場合の修理費や部品の交換費用も念頭においた上で、充分な余裕をもって予算を算出しましょう。
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